親族が宿泊業を営んでいたために幼い頃から旅館が身近な存在であり、生まれ育った伊東の観光業を盛り上げたい想いもあり、宿泊業に興味を持つようになった。元々ご縁があって馴染み深かった伊東遊季亭がリニューアルしたことを知り、新しく生まれ変わった伊東遊季亭を成長させていきたいという思いで入社を決意。ダイニング業務やフロント業務を経て、2019年より副支配人を務めている。
現在は、副支配人として旅館全体のマネジメントを行っています。お客さまの予約確認や社員の業績管理などの事務業務、宿泊プラン立案をはじめとした企画業務などが主な仕事内容です。館内を円滑に回していくためには、常に館内の1日の流れを意識して各セクションの社員に指示出しや確認を行うことが大切。その中で、私が副支配人として常に心がけていることがあります。それは、どんなに忙しくても必ず時間をとって現場に出ること。引き継ぎ帳の文面だけで現場の様子を掴もうとするのではなく、自分で現場に出てお客さまの声を聞くようにしています。なぜなら、自分自身の現場での経験を通じて、実際に自分で見たり聞いたりしなければお客さまのニーズに気付くことはできないと身に染みて知っていたためです。あるときお客さまに「昔ながらの雰囲気を持つこの旅館が好きだけど、今の時代はそれだけだと難しいと思う」との声をいただいたことがありました。これまで培ってきた伊東遊季亭の歴史を守り続けなければという想いと、時代の変化に合わせて柔軟に対応し、進化していかなければという想い。その間に挟まれて頭を悩ませていましたが、お客さまの声を聞いて「どちらかを選ぶのではなく、どちらも追い求めていかなければ」と気付かされたのです。このように、現場で声を拾い続けることで、上から指示を出すだけでは見えないお客さまのニーズや、改善点に気付くことができるのだと思います。
入社したときから、ゆくゆくは旅館のマネジメントに携わり、当館を成長させたい想いがあったため、早くマネジメントの立場になりたいと思っていました。そのために、入社当時からどんな仕事も率先してやるようにしていました。その姿勢を評価していただき、副支配人を任されたときには、嬉しさと同時にこれから自分がこの旅館を担っていくんだと背筋が伸びましたね。だからこそ、社員から挑戦したいと相談を受けたときは、まずは話を聞き、成功するかは分からなくとも一度やってみるようサポートしています。例えば、最近はコロナ禍でお食事の際の口頭説明も極力控えるよう求められているのですが、スタッフから「お料理の説明をするイラストを描き、お客さまに少しでもおもてなしを届けたい」と意見が上がってきたことがありました。今までにない試みですし、お客さまに本当に喜んでいただけるかも分からない。できる限りは口頭で伝える方がいいのではないかと、とても悩みました。しかし自分が副支配人を目指したきっかけである、旅館を成長させたいという原点に立ち返り、思い切ってその試みを採用することにしたんです。社員と相談しながらお料理の説明と手書きのイラストを作成し、お客さまに喜んでいただけたときは挑戦して本当によかったと思いました。
伊東を盛り上げたい想いで入社しましたが、それを達成するための道のりはまだまだ長いと感じています。だから姉妹館同士の連携をさらに強くし、それぞれの旅館の価値を高めてお客さまを一人でも多く増やすことで、今まで以上に伊東の観光業の活性化につなげたいと考えています。そのために必要なのは、「画一的ではないサービス」を追求し続けること。お客さま一人ひとりに目が届く規模の旅館だからこそ、お客さまの情報を全員で共有してその方に合ったサービスをお届けすることにこだわりたい。再度お越しいただいた際は、前回いただいた声を反映してより質の高いおもてなしを提供していく。リニューアル前から何度も来ていただいているお客さまであれば、「今年もお越しいただきありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えたり、ご高齢で足が不自由な方に再度来ていただいた際は、入浴の際に使用するバスチェアーをあらかじめご用意したり。すべてのお客さまに喜んでいただけるように尽力することで、伊東へのイメージを向上させ、何度も訪れたくなるような地域にしていくのが今後の目標です。
副支配人になって実感した当社の魅力は、旅館の取り組みについて本社がすべてを指示するのではなく、そこで働く社員の意思を尊重して見守ってくれつつ、経営や販路などビジネスについての悩みがあれば、いつでも相談に乗ってくれる点です。現場の人間に任せてくれるからこそ、ある程度自由に挑戦したり改善したりできますし、何か壁にぶつかったときは、グループ全体のノウハウを元に最適なアドバイスをくれるため、安心して取り組むことができます。
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