学生時代に部活のマネージャーをしていた経験から、「誰かに笑顔になっていただける仕事をしたい」と、ホテルなど接客ができるサービス業を志望。伊東遊季亭を見学した際、社員の温かな人柄と、お客さまのために改善できる点があれば社員一体となって取り組んでいく姿勢に共感し、入社を決意。現在はフロント業務に従事している。
現在は、フロントとして予約や精算業務、またお客さまに対して観光地の案内をするなど、コンシェルジュ的な役割も担っています。この仕事の魅力で、果たすべき使命でもあるのが、お客さまと館内すべてのスタッフを結ぶ橋渡し役であること。当館は客室数が少なく、一人ひとりのお客さまとの距離が非常に近いという特徴があります。だから、お客さまとの何気ない会話や表情、ふとした行動からお客さまが言葉にできずにいる心配事や、ご本人も気づいていないご要望を察知し、各セクションと連携して対応することを心がけています。例えば、お話の中で「最近足腰が弱くて」と言葉が出てきた際には、ダイニングのスタッフに共有し、お食事の席を掘り炬燵から椅子座の席に変更することもあります。こうした対応ができるのは、私たちフロントの気づきを、伝えた他セクションのスタッフがすぐに動いてくれるからこそ。「お客さまに喜んでいただきたい」「この旅館を好きになっていただきたい」という同じ想いですべてのスタッフが繋がることで、柔軟で迅速なおもてなしが可能なのです。これこそが伊東遊季亭の誇れる部分であり、これからも守り続けていきたいと思っています。
お客さまと向き合うフロントとして、お客さまの歩き方や目線、言葉などすべてに注意を払うよう常に意識してきました。その努力が実ったことを実感したのが、ある妊婦のお客さまをご対応したときのこと。スタッフの中で私が最も多くそのお客さまのご対応をしていたため、お食事の際も、ご入浴の際も、妊婦の方が安心できるためにはどうしたらいいかを考え、先回りして動くようにしていました。食前酒を他の飲み物に変更したり、ご入浴の際に危険がないよう、滑りやすいところはないかを確認したり。お話しする中で出てきた言葉やお体の具合から、サポートできることがあればすぐに各セクションに連絡して対応してもらいました。その結果、お帰りの際に「子どもが生まれたらまた会いにきます！」と言っていただけたのです。お客さまとの距離が近いからこそ、お客さまに直接お喜びの声をいただけたときは、本当に嬉しくなりますし、これからもお客さまのニーズに応えられるよう努力し続けようと思います。
後輩も増えた今、教える立場としてより分かりやすく、相手の目線に立った指導ができるようになるにはどうしたら良いか、どのようなフォローをするべきかを模索しています。私自身も入社したときには、先輩方に仕事の内容だけでなく、寮や暮らしのことなど生活面のことまでさまざまなフォローをしてもらいました。当時は右も左もわからなかったため、先輩方のサポートは本当にありがたく、今も強く心に残っています。そして、今では私も後輩を持つ立場。今度は私がサポートをする側に立ち、先輩方のように後輩が安心して働けるような環境を作ってあげられるよう日々精進しています。そのために大切なのは、後輩が困っていることを察してあげること。相談を受けたことに真摯に対応することは当たり前ですが、相談していいのか迷っているようなことも、表情や声色から先回りして察してあげる。そういう意味では、お客さまの対応と一緒。日々の業務でも、後輩とのコミュニケーションにおいても、声にはならないような声を拾ってあげられる。そんな存在になれればと思っています。
FJネクストホールディングスという東証プライム市場上場もしている安定した企業のグループ会社であるため、安心して働けるのが大きいですね。中小規模の旅館で働きたいと思っても、その経営状態が不安定であるがゆえに入社する勇気が出ない方も多いのではないでしょうか。その点、当館はグループ基盤がしっかりしているため、安定した経営のもとで、一人ひとりのお客さまに寄り添ったおもてなしを追求し続けられるのが魅力です。
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